たかはしクリニック副院長高橋真弓
栄養療法カウンセラー(一般社団法人オーソモレキュラー栄養医学研究所認定ONP)、保健師、正看護師
「脚気」のキーワードで、過去に書いたブログがいまだに良く検索されていますので、改めて書きなおしてみます。
5年前に書いたブログは、「足のしびれが脚気じゃないか」と患者さんから尋ねられたことがきっかけでした。
(現在では、足のしびれがある方はコロナワクチン接種後による血栓の影響があるとも考えます。)
脚気とは、ビタミンB1欠乏症のことで、主に末梢の神経障害が起きやすくなります。
例えば、手足のしびれや下肢の浮腫み、他にも動悸、不安症、全身倦怠感などです。
だるく疲れがとれない方は、夏バテではなく脚気かもしれません。
どうしても暑い夏場はあっさりとした麵などの炭水化物だけ、時にジュースなど糖質の多い飲食の摂取が重なり、糖質の代謝に欠かせないビタミンB1の需要がとても増える時期です。
ダルいだけでなく、浮腫んだり眠りの質が悪くなっていませんか?
また、ビタミンB1の吸収にはNa⁺が必要です。
夏は汗をよくかく時期でもあり、さらに普段から減塩をしていると、Na⁺欠乏となってしまい、食事やサプリメントからビタミンB1をとっていても吸収が悪くなります。
倦怠感などの自覚症状がなかなか改善しない方は、塩分もしっかりとりましょう。
さらに、葉酸欠乏もビタミンB1の吸収障害を起こします。
何も食べない大酒家は要注意です。
手足がしびれてくるのはアルコール依存による脚気の症状だとも考えられます。
そしてお母さん達は、乳幼児の脚気もあることもお忘れなく!
手軽に乳児用イオン飲料が購入できますが、こちらはあくまでも下痢や脱水状態がひどい時のみの利用にしてください。
夏場に水の代わりとして、このイオン飲料やパックジュースなどを日常から飲ませていると(甘いからずっと欲しがる)、砂糖過剰となり、ビタミンB1欠乏症状が出やすくなります。
嘔吐やけいれん、活気がない、食欲がない、最悪は乳幼児突然死症候群の原因になりかねません。
非常に危険ですので、欲しがるからといって安易に飲ませないでください。
脚気の歴史は長く、白米中心食となった江戸時代から始まります。
当時はおかずも少なく、好んで白米ばかり食べていた結果、わかりやすくビタミンB1欠乏となる人が激増しました。
原因がわからなかったため感染症も疑われ解決せず、
この江戸わずらいは明治大正時代まで続き、国民病とも言われたそうです。
1925年にはビタミンB1欠乏によるものとわかりましたが、受け入れが悪く対策がおろそかになり、戦時下では脚気によりお亡くなりになる方が多くいらっしゃいました。
戦後は副菜を多くしたり、ビタミン剤の普及などで改善し、1960年には脚気は消滅したと記載があります。
が、いやいや
飽食の現代では、糖質があふれすぎていて、ちっとも脚気は失くなっていません💧
夏バテは暑さ対策だけでなく、食事にも気をつけ、甘いものや炭水化物のみの偏食にせず、ビタミン、ミネラルを補えるおかずもしっかり食べましょう。
何か症状が出たら、薬で対処をするのではなく(蓋をして隠すのではなく)、まずは食べるものに注意してみてください。
ほとんどの原因が食にあることが多いですから。
症状改善がない場合は、ビタミンBの注射(にんにく注射)やB群のサプリメントを上手に利用してみるのも良いかもしれません。
余談ですが、
クリニックの近くにある湯田中温泉には、「脚気の湯」というかけ流しの共同浴場があります。
93.2℃の高温ナトリウム泉です。
昔から脚気症状を治すという云われがあるそうです。
高い山々が作り出す雲は、油絵のように美しかったです
次の日の海は穏やかでした
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