中野市の形成外科,美容外科,皮膚科,整形外科 たかはしクリニック

院長ブログ
2019.10.15

クリニックを受診される患者さんの30%ほどは近隣(長野市周辺の方も口コミで多いので40km圏内)の患者さんです。
多くの患者さんがレントゲン、MRIの検査を行い年配者は脊柱管狭窄症・腰椎ヘルニア・腰椎分離症・骨粗鬆症による痛みと言われ、ブロック注射で改善しないか、効果が少なければ、鎮痛薬・湿布・リリカなどの神経痛薬をお決まりのように処方され、それでも効果がなければ抗不安薬、向精神薬が処方されています。
クリニックを受診されない方の中にはそれで改善する方もいるのでしょうが、受診された患者さんは改善がないか、それ以上悪化することの不安から長期に渡り複数の薬剤を内服しているようです。

 
先日は高校生でスキー競技を本格的に行っている腰痛患者さんがコーチの勧めで受診されました。
このような方は多いのですが総合病院で全ての検査を行い異常はないということで鎮痛薬・リリカ・向精神薬(サインバルタ)を処方されていました。内服の効果がなくて受診したのですが、両側の仙腸関節部とその周囲の圧痛を治療(薬は用いません)しただけで、その場で痛みは消えました。同じ日に長野市から受診された年配の患者さんも数年来の腰痛でしたが1回で7~8割改善し、今回2回目の治療で終了しました。当然すべての患者が1~2回で完治には至りませんが、まったく改善できないことはとても稀です。

痛みを扱う医師は患者さんにまず丁寧に触れることです。慣れてくると優しく撫でるだけでもわずかな皮下の抵抗はわかります。また、経絡の名前を覚えなくても気の流れを少し覚えることも大切です。加えて、痛む筋肉だけでなく関連する周囲の筋肉の状態を探ることも必要です。
漢方では痛みは“気”を改善するために「水滞」や「瘀血」の状態を探します。病態(証)が合えば漢方は即効性があり、患者さんが驚くほどの効果も得られます。時には“気”そのものだけを治す必要の方もいます。脳でのストレスの治療は漢方を学べばとても繊細かつ的確に改善させられる証(漢方は薬の名前ではなくて病態名:証です)を選択できます。

 
薬を完全に否定するつもりはありませんが、西洋的な薬剤は痛みの本質を治すわけではありません。痛みを緩和する治療です。解熱鎮痛薬は痛みのある組織を冷やします。局所に熱がある時であれば理解できますが、痛みの本質は“気”=エネルギーの流れの滞りであると考えていますので、冷やす手段は時に“痛みの本質を治りにくくしている行為”であると思います。

「温泉に入ると具合がいい」方に湿布薬や解熱鎮痛薬を希望のままに処方することはいかがなものでしょうか?と思います。

たかはしクリニック院長高橋嗣明

形成外科の専門医。たかはしクリニック開設以来、形成外科の治療だけでなくオーソモレキュラー療法をはじめとする多様な治療を実践し、多くの慢性の難治疾患の治療にあたっています。北里大学医学部・北里大学大学院卒業、東京大学客員研究員・博士号取得。

 

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■ 診療科目
形成外科・整形外科・皮膚科・美容皮膚科・美容外科
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